She is my priest

動画共有サイトは如何なものなのか、それに付随したメディア(主にアニメ)の興亡を考えてみました。


まず、動画共有サイトはメディア、とくにアニメなどにマイナス面での影響を及ぼしているというのが一般的な見方らしい。なぜならアニメは放送後に発売するDVDなどの収益を見込んでいるらしく、
動画共有サイトでアップされている→消費者はいつでも見れるのでDVDなどを買わない→製作会社は儲からない
というのが製作者の主張する図式である。なぜ放送時に儲からない(スポンサー料とかで)のかというと中間搾取が激しいから、らしい。
らしい、と言うのは、実際のデータを見たわけではないので果たしてこれが正しいのかはわからないからです。ただ、事実僕の知り合いのアニメーター(何してんのかはよく知りませんが)の給料は月たった3万円だそうです。しかも休みはほとんど無しで残業は当たり前。今時ガキだってこれくらいもらってるヤツいますよねぇ。もちろん生活なんてできない。このことから、少なくともアニメ業界は儲かってないことはわかります。
ここまで貧困してたら動画共有サイトを叩きたくなる気持ちはわからんでもないけど、原因が一つじゃないだったら、そっちも解決すべきじゃないかと。このレベルの圧制、フランス人だったら余裕でスト起こしてると思うんですが。まぁこんな状況作っちゃったのは他ならぬ漫画の神様「手塚治虫」だそうですが(「どれだけ安くてもいいからアニメを作らせてくれ」とか言っちゃったから)、結局虫プロだって潰れちゃったわけだし、この現状には無理がある。


一方、消費者の主張としてはアニメ業界が儲からないのは「動画共有サイトのせいじゃなくてアニメがつまらないから」。動画共有サイトを観て、面白ければDVDだって買うし、グッズだって買う。購買欲が起こらないのは商品の質が低いからである、という主張です。僕個人の意見を言わせてもらえば、まぁこれは嘘だと思います。面白くたって、タダで観れるなら絶対買わないと思う。
消費者の感覚としては、「テレビでタダで流してるものを動画共有サイトで好きな時間にタダで観ることの何がおかしいのか」。おかしい点はコマーシャルを削ってる点。動画共有サイトでは投稿者が親切のつもりでCM削って編集してアップするわけですが、これじゃあ意味がない。
例えるなら、街中で配ってるティッシュチラシ。ティッシュがアニメで、チラシがコマーシャル。別にティッシュもらった人はそのチラシ捨てて、ティッシュで鼻かんだってもちろん構わない。チラシを抜いたティッシュを友達にあげても、まぁさほど問題ではない。でも、ちらし抜いたティッシュを集めて誰かに配ったり、売ったりするのは問題です。いや、実際のティッシュだったらたいした問題じゃない(むしろアホくさい)かもしれませんが、アニメとコマーシャルに戻して考えるとまずい。なんでまずいかというと、映像データはティッシュと違って簡単に複製できるから。
さっきの例えは
1「チラシ捨てて、ティッシュで鼻かむ」というのは「アニメを録画して編集し、自分で楽しむ」
2「チラシを抜いたティッシュを友達にあげる」というのは「そのアニメを友達に貸す(あるいはコピーしてあげる)」
3「ちらし抜いたティッシュを集めて誰かに配ったり、売ったりする」というのは「動画共有サイトにアップする」
となるわけです。
よくビデオやDVDの前に青地で流れる警告文に抵触するのは2、3です。2については黙認的なところがありましたが、3については黙認できない。利益の減額が半端ではないから。
アニメに限らずメディア全体に関して言えるのですが、動画共有サイト(あるいはP2P)が登場するまでそんなバカなこと(許可取らずに上映会なんかする)ヤツがいなかったために、あの警告文に注意を払う人なんていなかった。しかしそうはいかなくなってしまった。


そしてこの状況を作り出したのがYOUTUBE、日本のこの状況に拍車をかけたのはニコニコ動画なわけですが、それについてと、ではこれからどうすればいいかについては次回。疲れたから。次回がいつかは知りませんが。